2016年5月27日 (金)

『誰が・田中角栄を葬ったのか』(「日本一新運動」の原点―319 日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観)  

○ 『誰が・田中角栄を葬ったのか』の出版について!

 

 昨年、憲法や安保問題をテーマに二度も出版を予告して、原稿

も出来上がっていたのだが、安保法制問題や、野党協力の政局の

大激変に翻弄され保留となっていた。

 その間に、世の中はすっかり「角栄ブーム」となった。そこで

10年前に講談社から刊行し、故あって初版で絶版に追い込まれ

ていた『ロッキード事件―葬られた真実』を現代の立場から再考

して「K&Kプレス」から出版することになった。7月初旬には

刊行の予定だが、「プロローグ」(案)の要旨を本号に掲載する

ので、改めて世に問う理由を理解して欲しい。

 

 (プロローグ)要旨            

 

『角栄ブーム』が止むことを知らない。原因は、「安倍自公政治」

の異常性だけではない。与野党すべての政治家に対する民衆の、

「不信感」と「不安感」によるものだ。

 田中角栄を「天才」と呼ぶのもよいだろう。「卓越したリーダ

ーシップ」を政治に求めるのも結構。より大事なことは何故田中

角栄の悲劇が起こったか。日本人なら、まずこの要因を知るべき

ではないか。

「ロッキード事件」の本質は、米国の〝虎の尾を踏んだ〟田中政

治にあると論じることは正しい。しかし、私はこれを具体的に証

明する能力を持たない。私にできることは、対米従属シンドロー

ムを持つ日本の権力者たちが、憲法や刑事法規などを冒涜して、

田中元首相を断罪した「国家の犯罪」であったことを論証するこ

とだ。本書は『小説』ではない。現場で見聞きした真実の記録で

あることを、ことさらに強調しておきたい。

 

 刊行の第一の理由は、ロッキード国会時代に私は前尾衆議院議

長秘書を勤めていた。当時の政治の動きについて膨大なメモを残

している。最重要証人の児玉誉士夫が政治権力者の指示で重度な

意識障害を起こす注射で国会証言が不能になった経緯などである。

また、三木武夫首相が事件を利用して、田中元首相を政界から葬

ろうとした執念、中曽根康弘幹事長が疑惑から逃げようと、悪あ

がきを繰り返した言動、これが、田中元首相逮捕の道をつくるこ

とになったことなどだ。

 さらに、三木・中曽根政権は民社党と談合して、田中元首相を

ロッキード事件の主役という疑惑をタネに、衆議院を解散し総選

挙で連立政権をつくろうとする。衆議院の解散を政治生命を懸け

て阻止したい前尾議長は、河野参議院議長の協力で、「両院議長

裁定」により国会正常化を成功させた。

 この国会正常化を利用して、三木首相は検察と米国司法関係者、

そしてフォード大統領の協力で、ロッキード社の関係者に違憲の

「嘱託尋問」を行い、田中元首相を逮捕していく。この時、万が

一衆議院が解散していたなら田中元首相の逮捕は避けられていた

であろう。前尾議長が国会正常化に拘ったのは、昭和天皇から、

「核不拡散条約」の国会承認を強く要請されていたからである。

(仔細は『昭和天皇の「極秘指令」・講談社』)

前尾議長は自分が田中逮捕の環境づくりをしたと、後悔していた。

 

 第二の理由は、私が10年前に『ロッキード事件―葬られた真

実』を刊行した際、政治権力が某マスコミに圧力をかけて、真相

究明を妨害した傍証を公開することである。児玉証人の国会証言

を不能にした経緯を「特ダネ」とした予定稿が、報道予定の前夜、

上層部の指示でボツになったことだ。マスメディアのあり方を国

民的に議論してもらうためである。

 

 さて泉下の角栄さんは、現下の異常な「角栄ブーム」をどう思

っているだろうか。「今さらワシを、天才とか誉め殺しをするな

!。21世紀になっても『角栄の悲劇』を繰り返している日本の

政治に問題があるんだ」と嘆いていると私は思う。

 ロッキード事件以来、我が国の『権力の犯罪』は悪質化・複雑

化し増大している。その典型的事例が「小沢一郎陸山会事件」で

ある。「陸山会事件」は、麻生政権が政権交代を妨害するために

捏造したことから始まる。それを民主党政権の狭量な一部指導者

が、司法権力者を利用して起訴・裁判化したものだ。何故にこの

ような『権力の犯罪』が繰り返されるのか十分検証されなければ

ならない。

 その理由は、日本人に染みついた「御上意識」を利用した「官

僚権力」の支配ノウハウにある。戦前の御上は「天皇」であった

が、戦後は米国だ。「対米従属シンドローム」をもつ権力者が原

因だ。これを改善しなければならない。そして何よりも必要なこ

とは、国民一人、一人の「自立心の向上」であろう。

 

 

〇 私の「日本共産党物語」 5

(議会政治の体制内政党化に苦悩する共産党)

 

 昭和48年7月末、第71回特別国会は、会期再延長で史上初

の130日の延長となる。野党は激怒したが前尾議長への同情も

あり収拾した。共産党の松本国対委員長が「平野秘書の処分」を

要求したが、宮本顕治共産党委員長の鶴の一声で私の首はつなが

った。国会正常化が本格化するに当たって、前尾議長が与野党国

対委員長に約束したのは、「時代遅れとなった国会の諸制度と慣

例の抜本的見直し」であった。

 

 この国会の抜本改革については、7年前の昭和41年、園田直

氏が副議長の時「議会制度協議会」を設置して、国会改革に着手

したことがある。その時、知野虎男事務次長と平野貞夫副議長秘

書が中心となって構想した案があった。これを整備することにな

り、その作業が終了した会期末で、知野事務総長が円満退職する

ことを前尾議長が了承する。そして再開した「議会制度協議会」

では、共産党が参加し、国会改革に対し論陣を張ることになる。

 

 共産党が公式に、初めて参加した国会改革で、前尾議長が最初

に提案したのが、議長と与野党国対委員長がヨーロッパの議会政

治先進国を訪問することであった。目的は、時代の変化に議会政

治先進国がどのような議会改革を行ってきたか、さらに、高度経

済成長を成功させた日本が、これから如何にあるべきか外国から

党派を超えて考えようというものであった。

 この前尾議長の構想を共産党も理解し、松本国対委員長が同行

することになった。ところが議員団が出発直前に、松本国対委員

長が入院し、参加しないことになる。前尾議長は共産党が議会政

治体制内政党化する絶好の機会と期待していただけにとても残念

がった。それに加えて、前尾議長は会期再延長問題の正常化の際、

宮本委員長から叱責を受けた松本国対委員長に同情して、何かと

気を遣っていた。

 

 前尾議長から「何か記念になる土産を買って届けてくれ」と言

われてロンドンで背広の生地を買った。それが日本円で20万円

ほどの高価なものであった。私にしてみれば、松本国対委員長を

困らせようという下心があった。議員団が帰国後、松本国対委員

長の夫人、画家で岩崎ちひろさんが死去した。またまた前尾議長

から私に、いやらしい命令がある。「葬儀に私の代理で参列して

、香典を届けてくれ」。私が「それは公務としてですか?」と質

すと、「私用だ」とのこと。「それなら議員会館の秘書に指示し

て下さい」と断ると、怒った前尾議長が「君と松本君の関係が正

常になってくれないと私が困る」とまで言いだす。

 

 仕方なく、渋谷区幡ヶ谷の葬儀所に香典10万円を持ち、前尾

議長の「お悔やみ」を伝えて用件を済ませた。私としては、個人

とはいえ、10万円の香典を共産党国会議員が貰い、どうするの

だろうか。口外するつもりはないが、前尾議長の香典袋を葬儀関

係者は知ることになる。他人事ながら心配になった。

 ところが1週間経って松本国対委員長が前尾議長にお礼の挨拶

に来た。驚いたことに記念ということで故人となった岩崎ちひろ

夫人の画を持参し前尾議長も喜んで受け取った。後になって価格

を調べたところ、30万円ほどだった。となると、ロンドン土産

の背広の生地代と香典代でお相子となった。前尾議長と松本国対

委員長は親交を深めていくことになる。

 

 しかし、世の中はそう旨くいくものではない。第72通常国会

が昭和48年12月1日に召集された。共産党が松本国対委員長

を更迭して、後任に村上弘氏を起用したのだ。村上氏は、共産党

の国会対策の責任者で、松本国対委員長の上司にあたり監督する

立場だった。松本氏更迭原因のひとつは、「平野秘書問題」があ

ったようだ。

 村上国対委員長は就任するや、直ちに前尾議長に挨拶に来た。

その直後、議長秘書の私をつかまえて、「僕は、松本君とは違っ

て必要があれば、君を通さず直接押しかけるからな」といささか

脅し気味。「その方が、私も手間が省けて結構ですよ!」と言い

返す。「こいつ!」と、笑いながら握手して退室した。前尾議長

には悪いが私はこんなタイプの政治家と気が合うのだ。(続く)

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すでに影響力を失った7カ国の集まりが国家神道の聖地で開かれたが、テロ支援国に何も言えず(櫻井ジャーナル)

主要7カ国首脳会議(G7)が5月26日に始まった。今回の議長国は日本。安倍晋三首相がその舞台に使った伊勢神宮は明治以降、国家神道の中心としての役割を果たした。徳川幕府を倒した勢力は国家神道を軸とする「カルト国家」を作り上げたと考えるべきだろう。そこから「聖戦」という発想が出てくるのは必然だ。

 ところで、G7は1975年にフランス、西ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカの6カ国の首脳が会議を開いたところから始まる。翌年、カナダが加わってG7になった。世界を動かしているのは自分たちだというデモンストレーションの意味もあったのだろうが、1971年にアメリカのリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換を停止すると発表、この段階でアメリカの衰退は明白だった。

 G7が誕生する2年前、つまり1973年にデイビッド・ロックフェラーとズビグネフ・ブレジンスキーは日米欧三極委員会を設立している。この年、ふたりに目をつけられた政治家がジミー・カーターで、この委員会に入れられた。

 ドルと金との交換停止を発表したニクソンは1972年の大統領選挙で再選されるが、73年10月にスピロ・アグニュー副大統領が失脚してジェラルド・フォード下院議員と交代、74年8月にニクソン大統領が辞任してフォードは選挙を経ず、大統領になった。

 フォード政権はニクソン時代のデタント(緊張緩和)から軍事強硬路線へ転換、デタント派の粛清が始まる。いわゆる「ハロウィーンの虐殺」だ。例えば1975年11月にジェームズ・シュレシンジャーが国防長官を解任されてドナルド・ラムズフェルドが就任、76年1月にはCIA長官がウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへ交代した。当時、ブッシュを「情報の素人」だとする人もいたが、実際はエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高く、キューバ侵攻作戦やジョン・F・ケネディ大統領の暗殺に参加したと主張する人もいる。

 この粛清で中心的な役割を果たしたと言われているのがラムズフェルド、大統領副補佐官だったリチャード・チェイニー、軍備管理軍縮局にいたウォルフォウィッツ。後にネオコンと呼ばれるグループに属す人びとだ。ラムズフェルドは国防総省のONA局長だったアンドリュー・マーシャルの意見に従って動いていた。(Len Colodny & Tom Shachtman, “The Forty Years War,” HarperCollins, 2009)マーシャルはソ連脅威論や中国脅威論の発信源で、1992年に作成された国防総省のDPG草案、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」も彼の戦略に基づいている。

 1977年にカーターが大統領に就任、ブレジンスキーは大統領補佐官になった。そのブレジンスキーの要請で1979年4月にCIAはワッハーブ派/サラフ主義者、ムスリム同胞団を中心として編成された武装勢力に対する支援プログラムを開始する。

 ただ、パキスタンのバナジル・ブット首相の特別補佐官を務めていたナシルラー・ババールが1989年に語ったところによると、アメリカは73年からアフガニスタンの反体制派へ資金援助しはじめている。その時に目をつけられたのがクルブディン・ヘクマチアルだった。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)1973年はブレジンスキーがソ連を制圧するプロジェクトを始めたと見られる年で、その延長線上に79年4月のプログラムもあるのだろう。

 この秘密工作は成功、1979年12月にソ連軍の機甲部隊がアフガニスタンへ軍事侵攻、CIAの訓練を受け、支援された武装勢力と戦うことになる。CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルが「アル・カイダ」だと説明したのはロビン・クック元英外相だった。アル・カイダはアラビア語で「ベース」を意味し、「データベース」の訳語としても使われている。なお、クックはこの指摘をした翌月、保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて死亡した。享年59歳。

 アメリカから供給された兵器の効果もあり、ソ連軍は1989年2月にアフガニスタンから撤退、91年12月にソ連は消滅する。この時、ネオコンはアメリカが「唯一の超大国」になったと認識、1992年初頭にウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成されて世界制覇プロジェクトが始動したわけだが、1999年にはG20ができた。

 G20には、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ、カナダのG7、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、そしてEUが参加している。G7の影響力は落ち、「親睦会」としての意味しかなくなったことがG20を組織した理由だと言われている。

 このうちブラジル、中国、インド、ロシア、南アフリカはBRICSであり、アルゼンチンやインドネシアもBRICSに近い。現在、アメリカはこのBRICSでクーデターを仕掛け、支配しようと目論んでいる。G20でG7は主導権を握れず、軍事力、破壊工作で乗っ取るしかないということだろう。その手先としてアメリカは1979年にブレジンスキーが作り上げたワッハーブ派/サラフ主義者、ムスリム同胞団を中心とする武装集団をまた使っている。この武装集団、1980年代は「自由の戦士」、2001年以降は「テロリスト」、最近は「穏健派」というように違ったタグが付けられているが、実態は同じ。

 今回のG7で「テロ対策」や「難民問題」が話し合われたというが、解決するのは簡単。アメリカに対し、「テロリスト」を支援、「難民」をEUへ送り込むことを止めるように他のメンバー国が説得すれば良いだけである。アメリカ以外の国も実態は把握しているはずだ。   



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板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」

G7伊勢志摩サミット開催最中、「2020年東京オリンピック開催」をめぐり、不吉な情報が流れている

◆〔特別情報1〕
 沖縄県うるま市で元米海兵隊員で軍属が女性会社員(20)を殺した事件、タレントの女子大生がストーカー男性に20か所も刺されて重体に陥っているなど不吉な凶悪事件が発生した直後、G7伊勢志摩サミットが5月26日から27日の日程で始まった。警察庁は、サミット会場一体に警察官約2万3000人を配置して警備、全国の約3500か所のソフトターゲットで最大約7万人の警察官を投入して警戒しているため、手薄になった間隙を狙って、一般市民が犯罪に巻き込まれている。その陰で、国会周辺では、「2020年東京オリンピック・パラリンピック開催」をめぐり、もっと不吉な情報が流れている。

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<社説>県議選あす告示 問われる米軍基地の存在(琉球新報)

 沖縄の将来を占う第12回県議会議員選挙が27日告示される。

 今回の県議選は、元米海兵隊員で米軍属の女性死体遺棄事件によって米軍の存在そのものが主要な争点に浮上した。米軍普天間飛行場の返還、名護市辺野古への新基地建設の是非、日米地位協定の改定など、施政権返還から44年たっても変わらない基地問題に対する姿勢が鋭く問われる。
 今回は、13選挙区(定数48)に70人が立候補を予定している。前回より7人多い。既に各選挙区で激しい前哨戦が展開されている。立候補予定者には、有権者が政策を十分理解し、投票できるよう、明確に主張してもらいたい。
 翁長雄志知事が就任してから1年半の県政運営が問われる選挙でもある。
 翁長知事は仲井真弘多前知事による辺野古埋め立て承認を検証した結果、2015年10月に承認を取り消した。それを受け国は代執行訴訟を起こし、3月に和解が成立した。政府にとって選挙結果は、県民意識を測る材料となる。県政与党が安定多数を維持するかどうか注目が集まる。
 前回12年の本紙県議選立候補予定者アンケートは、ほとんどが普天間飛行場の国外移設や県外移設、無条件撤去のいずれかを選択した。しかし、今回の立候補予定者アンケートは、70人のうち41人が普天間飛行場の国外県外移設、無条件撤去と答えた。一方、野党系は国外移設を前提とした暫定的な県内移設、辺野古移設などと回答し主張が分かれている。争点をぼかすことなく旗幟(きし)を鮮明にして選挙戦に臨んでほしい。
 翁長県政はアジア経済戦略構想を打ち出し、経済政策を進めている。好調な観光が県経済をけん引しているが、収入が低く不安定な非正規雇用率が44・5%と全国で最も高い。子どもの貧困率が高い背景に、低賃金で働く親の貧困がある。非正規労働者の正規化や最低賃金の引き上げ、保育士の処遇改善など雇用に関する政策は候補者選びのポイントになろう。
 子どもの貧困に対する政策も重要な判断材料だ。日本復帰後は公共工事に予算が重点配分されたため、教育・福祉に十分回せなかった。このつけが子どもの貧困という形で顕在化している。待機児童問題を含め、沖縄の未来を担う子どもたちの教育、福祉についての政策論争に期待する。

<金口木舌>「琉球」の解放

 突然、風が吹いた。木々は波打ち、線香の煙が立ち込めた。「喜んでいる、喜んでいる」。先祖の歓喜を感じた墓参者が思わず声にした

▼今月17日、沖縄からの墓参団29人が中国・北京の琉球人埋葬地を訪れ、鎮魂の祈りをささげた。そこには1879年の琉球併合前後に中国へ渡り、救国運動を展開して客死した琉球人が眠る
▼墓参団は「一緒に帰ろう」と声を掛け「平和な沖縄の実現」を誓った。亡命琉球人の指導者・幸地朝常の親族である渡久山朝一さん(67)は「救国運動は遠い時代の出来事ではなく身近に感じる」と語った
▼渡久山さんの祖父は最後の琉球国王・尚泰の付き人で、朝常のいとこに当たる。朝常が中国にたつ際、尚泰は祖父に港近くの丘に「旗を立てなさい」と指示したという。親族で今も語り継がれている
▼「恐るべからず屈すべからず」。朝常はこう言って、日本官吏に屈するなと琉球人を鼓舞した。大和に支配された琉球には帰りたくないとも話したという。渡久山さんは「亡命した仲間が次々に死ぬ中で、帰りたくても帰れなかったのだろう」と推し量る
▼さて今の「琉球」。米軍属女性死体遺棄事件が起きた。埋葬地に眠る琉球人たちは帰りたいだろうか。救国運動から約140年、植民地状況からの解放はまだ道半ばである。歴史をたどると、沖縄の苦悩はあまりにも深く、長過ぎる。

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沖縄レイプ殺人に冷たい日米首脳<本澤二郎の「日本の風景」(2367)

<国民を欺くポーズ>
 25日午後9時40分から同10時43分までの日米首脳会談、そして同11時39分までの共同記者会見で見えたことは、急きょ、会談の主役に躍り出た沖縄レイプ殺人事件に関連する日米地位協定問題にどう取り組むのか?結果は何もなかった!安倍が「卑劣極まりない犯行」と言いながら、レイプ殺人という真実の表現を口にできなかった。時事通信は「軍属事件に断固抗議」「大統領は遺憾表明」と報じた。肝心の地位協定は「触れず」と決めつけた。いうなれば、7月10日選挙向けの、日本国民を欺くポーズに終始した。沖縄に冷たすぎる日米首脳会談だった。

<米国にひれ伏す奴隷首相>
 アフガン・イラク戦争を強く反対して大統領に就任、直後に「核廃絶」の演説をしてノーベル平和賞受賞に酔いしれてきた人々は、筆者を含めて多い。米産軍複合体と衝突して暗殺されるのではないか、と彼の人生まで心配した人々も多かった。4年の任期を全うできるだろうか、それが8年になろうとしている。
 実際は、ごくありふれた凡庸な大統領に過ぎなかったからだが、ここへきて広島訪問計画に再び人気浮上だ。ただし、これまたオバマの個人史の1ページを飾る程度であることも判明した。
 そんな黒人大統領にひれ伏すA級戦犯の孫でしかなかった5・26の深夜会談だった。主権者は奴隷首相かと勘違いするだろう。しかも、沖縄レイプ殺人事件を、もみ消そうとした恐ろしい疑惑浮上である。琉球新報記者と沖縄県警捜査員が知っている。官邸と県警・警察庁の間で何があったのか、これを明らかにしてもらいたい。国会での追及を急ぐべきだ。
<思いは3分の2議席>
 自公内閣には策略が渦巻いている。何でもありだ。木更津レイプ殺人事件のもみ消しは、たとえ相手が大事な政党と宗教団体が関係しているからと言って、それを理由にもみ消しをすることは許されない。千葉県警にも、沖縄県警捜査員のような勇気ある捜査員がいるはずなのだから?

 平和憲法を破壊する目的の政権を、これ以上、存続させてはならない。3分の2議席確保戦略に屈してはならない。
<伊勢神宮参拝は欠かさず>
 首相は、靖国と兄弟神社である伊勢神宮の参拝を、この日も欠かすことがなかった。神社信仰で「神風」を吹かそうと必死なのだ。政教分離をわきまえない、信仰に凝ってしまった首相に振り回される日本でいいわけがない。
2016年5月26日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

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【ダブル選挙】 解散に向け政治資金集めパーティーがラッシュ(田中龍作ジャーナル)

改選を迎える参院議員や現職衆院議員たちが集結した。出陣式の様相さえ呈した。=26日、都内 撮影:筆者=

改選を迎える参院議員や現職衆院議員たちが集結した。出陣式の様相さえ呈した。=26日、都内 撮影:筆者=

 解散風が強風になった。麻生太郎副総理がきょう、派閥の会合で「ダブルはある」とぶち上げたという。総裁派閥である清和政策研究会の昼食のメニューはカツ重(ダブルで勝つ)だったとも。

 永田町周辺では衆院議員の政治資金集めパーティーがラッシュだ。解散総選挙が間近であることを うかがわせる。

 今夜、田中は木内孝胤衆院議員(民進)の政治資金集めパーティーを取材した。木内議員は09年の政権交代選挙を除くと12年、14年の総選挙とも自民の菅原一秀の後塵を拝している。

 菅原議員は女性とのハワイ旅行で週刊誌を賑わしたりもした。

 かつてのボスである小沢一郎・生活の党代表からは、「やっぱり地べた(選挙区)で当選しなければ…」と喝を入れられた。

 民進党の江田憲司・代表代行からも「今度は小選挙区でぜひとも勝ち取っていただきたい」と激励された。

 木内議員本人も解散総選挙に向けた覚悟を決めていた ―

 「永田町を歩いていると誰と話してもダブル選挙のことになる・・・舞台は整った。あくまでも我々がやることが選挙。あしたダブル選挙になる。読売新聞に「解散見送り」と書かれていたので、あと3~4日のうちに解散はある。きょうはダブル直前の会です」

 脳科学者の茂木健一郎氏の言葉が、今夜のパーティーの性格を的確に表していた。「ダブルがあるとの前提で、きょうは決起集会のようなものだ」。

江田・民進党代表代行(左)は「女性の井戸端会議で木内議員の名前を広めて下さい」と訴えた。=26日、都内 撮影:筆者=

江田・民進党代表代行(左)は「女性の井戸端会議で木内議員の名前を広めて下さい」と訴えた。=26日、都内 撮影:筆者=

  ~終わり~

【求人】時給1,500円は世界の流れだ。『田中龍作ジャーナル』が率先した。

取材助手を募集しています。時給1,500円以上・交通費支給。勤務時間は柔軟に対応します。都内在住に限る。詳しくは・・・tanakaryusaku@gmail.com

田中龍作の取材活動支援基金

今夏の参院選で与党が3分の2を獲れば、この国は暗黒となります。子供や若者の将来を暗くしないために、田中龍作ジャーナルは懸命の報道を続けています。真実を明らかにする取材活動には、どうしてもコストがかかります。何とぞお力をお貸し下さい。

田中龍作

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日米地位協定と元米兵強姦殺人事件は直結している(哲学者=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』 )

日米地位協定と元米兵強姦殺人事件は直結している。しかし、安倍首相もオバマ大統領も、この日米地位協定という植民地主義的な不平等条約を見直すつもりも、強姦殺人事件の原因である沖縄米軍基地の撤去を目指すつもりもないらしい。Add Starkou27iyoshiko1020cangaelkaimondakekaimondakekaimondake


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さすがネット右翼政権たる安倍首相らしい能天気振りである。オバマと安倍は、ヒロシマ?に行って何のパフォーマンスをするつもりか。口先だけの、心にもない「核のない世界宣言パフォーマンスでもやるつもりか。そして日本国民は、能天気な二人の漫才コンビに騙されて拍手喝采するのか?


オバマはともかく、安倍首相が、「核のない世界」など目指すはずがない。安倍首相が、オバマと手をつないで「ヒロシマ神社」(?)に参拝し、原爆投下後の現実直視した上で、「非核宣言」など、大真面目にやり始めたら、「気が狂った?」と考えた方がいい。安倍が本気だったら、「川内原発」を止めてから 「ヒロシマ神社」へむかうはずだ。


オバマと安倍首相の広島訪問は、外務官僚や官邸官僚等が中心になり企画した「選挙目当てのパフォーマンス」、つまり安倍官邸のミエミエの、安っぽい広報戦略に過ぎない。そもそもヒロシマであり、とは、原水禁運動のメッカであり、左翼市民運動総本山ではないか。安倍は、保守右翼民族派・・・だったはずだが。


つまり、安倍の「保守」や「右翼」や「民族派」という言葉も、安倍が、エセ保守でありエセ右翼、エセ民族派であるという証明ではないか?ホンモノの右翼民族派だったら、「ヒロシマ(広島)」という左翼市民運動のメッカを売り物にするはずがない。安倍よ、「過ちは繰り返しませぬ」という屈辱的な言葉を認めるのか?

(続く)

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安倍首相のこじつけリーマン級危機説に異論噴出(植草一秀の『知られざる真実』)

伊勢志摩サミットで積極財政の合意を取り付けようとした安倍首相の目論見は失敗に終わる見通しである。


そもそも、緊縮財政を実行している日本が、積極財政を提唱していることが喜劇である。


安倍首相は今日から始まったG7サミットで、現在の経済状況が


リーマンショック後の経済状況と同等であることを訴えたが、


参加者から「危機」の表現は強すぎるとの批判を受けた。


安倍首相は、


原油などの商品価格の下落率がリーマンショック前後と同等になっている、


新興国・途上国の投資伸び率がリーマンショック後と同等になっている、


新興国等への資金流入がリーマンショック後と同等になっていること


などを根拠に、現在の政界経済が


リーマンショック時の危機に匹敵するものであると訴えたようだ。


しかし、これは安倍首相が得意とする


「こじつけの論理」


でしかない。客観的な正当性を欠いている。


ものごとの、ある側面だけを針小棒大に捉えて、自分に都合の良い解釈を示すのが「安倍流」だが、他のG7首脳には通用しないだろう。

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経済全体の体温とも言える株価の推移を見ると、


NYダウはリーマンショック後の安値


6500ドル水準から1万8000ドル水準へと2.8倍の水準に大暴騰している。


ドイツの株価もリーマンショック後の安値に対して2.8倍の水準にある。


英国株価も1.8倍、日本株価も2.4倍の水準だ。


あまりにも不自然な言動を繰り返すと、世界から嘲笑を浴びるだけになることを自覚するべきだろう。

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2014年から2016年にかけて中国株価が乱高下し、他方、原油価格が急落したことは重要事実で、このために世界経済が影響を受けていることは事実だが、これとリーマンショック=サブプライム金融危機を同列に扱うことは適正でない。


安倍首相が


「リーマンショック前後の経済危機と同等の経済危機」


をこじつけで強弁したのは、参院選を控えて消費税再増税再延期を打ち出さざるを得ないためであると見られる。


2014年12月総選挙の直前にあたる同年11月18日、安倍首相は消費税再増税の18カ月延期を表明した。


その際に、


「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。


再び延期することはない。


ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。」


「平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。


3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。


私はそう決意しています。」


 http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html


(動画の7分48秒以降の部分)


と述べた。


「消費税再増税の再延期はない」と断言している。


その消費税再増税を再延期するというのだから、追及されるのは当然のことだ。


この問題をクリアするため、現在の世界経済が「リーマンショック前後の経済危機に匹敵する」という「作り話」をでっち上げようとしているわけだ。

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サミット後、安倍首相は消費税再増税再延期を打ち出し、参院選に臨むものと見られる。


衆院選については、先送りして2016年から2018年までの好機を見定める方向に傾いていると思われるが、安倍政権の政局時計の歯車は明らかに狂い始めている。


サミットでは日米同盟の強化をアピールする予定であったが、沖縄での米軍関係者による卑劣で凶悪な事件が表面化して、同盟そのものの矛盾が表面化することになった。


オバマ大統領が広島を訪問することが目玉となったが、


「謝罪なき広島訪問」


は広島を侮辱するものである。


広島は物見遊山の観光地ではないのだ。


沖縄の事件についてもオバマ大統領は謝罪すらしていない。


米軍のトップに大統領が位置し、その配下の米軍関係者による凶悪犯罪について、トップが謝罪するのは当然のことだ。


植民地での凶悪犯罪については謝罪する必要がないと判断しているのだろう。


参院選で安倍政権与党が敗北すれば、衆院選に向けて野党共闘が加速する。


株価は安倍政権発足後から2015年6月までが上り坂。


2015年6月からは下り坂に転じているが、この下り坂の先には


「まさか」


が控えているようだ。

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2016年5月26日 (木)

◇◇◇ ちと、気が早いが予告の予告号? ◇◇◇     日本一新の会 [jimukyoku@nipponissin.com]

各位

 

ちと気が早いが、以下は、今週末に発信する臨時号の草稿です。

『ロッキード事件―葬られた真実』(平野貞夫著・講談社)は、

自民党某実力者の圧力に屈し、講談社が初版限りで絶版を約束し

たもので、それを再構成して、その後明らかになったロッキード

問題の裏側を暴くとともに、小沢陸山会事件との同質性を検証し

たものを刊行します。

 

小沢問題は、自民党との権力闘争の一面とともに、あろうことか、

一部民主党内の権力闘争であり、それが、議会民主政治にとって

あってはならない事態を招き、今日の混乱を引き起こしています。

 

「生活の党」が小さくなったとはいえ、消してはならない灯火で

あることは間違いありません。そんなシンポジウムにしたいと、

考えています。

 

              日本一新の会事務局・大島 楯臣

 

以下、28日発信の臨時号草稿

 

━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                 臨時増刊号・2016/ 5/28

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                     顧問:戸田 邦司

                     発行:平野 貞夫

                     編集:大島 楯臣

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       <メルマガ・日本一新・臨時増刊号>

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  ◇◇◇ 平野貞夫出版記念シンポジウムの予告 ◇◇◇

 

先の「メルマガ・日本一新」(319号)で記したとおり、平野

代表による久々の出版が適い、記念のシンポジウムを開催するこ

とにした。時期的には国政選挙直後で、臨時国会が開かれている

はずである。今のところ、衆参のダブル選挙になるや否やは読め

ないが、いずれにしても新しい政治勢力ができた直後のことで、

これからの政治がどう展開するか、そんなことを占うシンポジウ

ムになることは疑う余地はない。

 

登壇者は多種多彩の予定で、小沢さんの話も聞かれる予定である。

内容の詰めはこれからで、決定次第に仔細をご案内したい。

 

平日の夕刻のことだから、会員諸氏には早めのご案内を済ませ、

是非にも予定に入れていただきたいと思う次第。よろしくお願い

申し上げます。

 

                    日本一新の会事務局

 

          ―  記  ―

 

 期 日:平成28年7月26日(火)5時~

 場 所:憲政記念館講堂

 主 催:日本一新の会・(株)K&Kプレス

 参加費:無 料

<メルマガ・日本一新・臨時増刊号>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      ☆山口二郎のムホン会議

 

選挙が近づいています。日本の民主主義にとって、戦後最大とい

っていいほどの重大な選挙です。安倍首相は「悲願の改憲」に向

けて、あらゆる手段を使います。黙していれば、今年がポイント・

オブ・ノーリターン(帰還不能点)になりかねません。

保守対革新という旧いパターンではなく、これは私たちの自由を

守るための闘いです。戦後日本がかろうじて支えてきた理念を捨

ててはなりません。選挙に行きましょう。「アベ政治」に対して

ムホンを起こしましょう。たくさんのムホン仲間を誘って、さあ、

選挙に行きましょう!

 

                         山口二郎

 

 期 日:2016年6月4日(土)午後2時~4時

 場 所:全電通ホール 千代田区神田駿河台3―6

 参加費:500円

 主 催:ムホン会議

 共 催:デモクラTV

 後 援:マガジン9

 詳 細:http://demokura.net/?p=815

 

     山口二郎×金子勝×大沢真理

     「アベノミクス 幻想の先に」

 

     山口二郎×西谷修×青井未帆

     「アベ政治という専制」

 

     山口二郎×イシダ英敬×森達也

     「メディアを疑う」

 

     山口二郎×平野貞夫×ムホン仲間たち

     「臣民の選択」

 

 

☆6月5日(日)は国会前に行こう!

 明日を決めるのは私たち―政治を変えよう

 

 12時30分~ 学者の会

 14時~    大行動実行委員会

 16時~    シールズ(予定)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

        ◇◇◇ 事務局雑話 ◇◇◇

 

5月16日(月)発売の「AERA」に、「現代の肖像」として

共産党の志位和夫委員長が取り上げられていて、記事中のコメン

トに小沢生活の党代表と、平野日本一新の会代表の2人が登場し

ている。仔細は同誌をお手にして頂きたいが、「2人」だけと言

うところがミソで、他に人がいなかったのだろうか。

 

否、昨秋の志位委員長の大胆な野党協力の呼び掛けを掛け値なし

に高く評価したのがこの「2人」だったからである。平野代表が

取材を受けたのは4月2日のことで、メルマガ・日本一新・31

2号に『ジャーナリストの山岡淳一郞氏から「AERA誌で、共

産党の志位委員長にインタビューするので、共産党の変化につい

て話を聞いておきたい」との希望』とある。

 

またまた私見だが、この夏の参議院選では共産党の議席は大きく

伸びると思う。1人区の大半は野党連携に譲るだろうが、複数区

と比例区はかなりの上積みとなるだろう。比して民進党は良くて

現議席確保、悪い方に転べば現有を割り込む。明確な対立軸なく

して選挙は闘えない。

 

                    日本一新の会事務局

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【佐藤優】Q&A(実践的な教養の身につけ方) ~役立つ教養⑪~    2016年05月25日 | ●佐藤優 

 第1回から第10回まで、ニュースの読み解きに始まり、宗教、論理力・数学力、哲学など、社会人が身につけるべきさまざまな教養について話した。最終回は、読者の質問に対する答えの形で、実践的な教養の身につけ方をおさらいする。

 *

Q:ニュースを読む・見るときのポイントは?
A:日本語の報道を読むだけでも大丈夫。英語のメディアは、無理をすることはない。英語が母語でない人が英文を読むのはものすごく疲れるからだ。最初の30分は大丈夫でも、そこからガクンと能率が落ちる。長続きしない。それに、日本語で情報収集・分析するだけでも、かなりのことが分かる。
 では、どの情報をチェックすればいいか。
 ①ウォール・ストリート・ジャーナル日本版。日本の新聞とはまったく違う記事が載っているし、CNNの最新記事も数時間で日本語に訳される。日頃からこれに目を通しておくと、国際ニュース、特に日本のマスコミの弱点である中東のニュースなどは、かなり早く手に入る。
 ②海外大手メディアにも報道されないような深い情報は、イラン国営放送「Pars Today」や、ロシア国営「スプトーニク」のウェブサイトをチェックするとよい。これらはいわゆる「国策女ディ」だから、編集方針が国家の利害を反映していて、とても興味深い。「ハメネイ最高指導者の言葉」とか「今日のコーラン」とかいったコーナーにまじって、重要なニュースが載っている。

 *

Q:数学がとても苦手なのだが、どうやって復習すればいいですか?
A:もし「あまりにも苦手で、数学検定を受けるのも怖い」という場合は、抵抗があるかもしれないが、公文式がおすすめだ。実は公文式では、大人向けの講座も充実している。どれだけ問題を解いても月謝は変わらない。何より公文式は、「ほめて伸ばす」というシステムをとっているので、無理なく続けられる。数学は積み重ねだ。理解の穴を見つけ出し、埋めるためにも、面倒がらずに基本からやり直すことが大切だ。
 教室に通える余裕のある人は、週2回を目安にすれば、半年もかからず中学の数学までは完璧にできる。その後は、高校1年生の過程が3ヵ月くらい、高校2年と3年が合わせて1年ぐらいだろう。とりあえず中学まで終わったところで数検3級を受けてみると、身についたかどうか分かる。全体で1年半くらいかければ、数学は怖くなくなるはずだ。

 *

Q:英語の場合は?
A:まずは、今の英語力を測るためにも、英検2級を受けてみる。これはだいたい高校2年生と同じくらいのレベルだ。歯が立たないようなら3級に戻るとよい。英検の関連教材はすごくよくできているから、それを使って勉強するのがおすすめだ。英検準1級に合格できれば、TOEFL換算でだいたいスコア100になる。これは外務省が入省時に「即戦力になる」と判断する基準と同じだ。
 現在の新人キャリア外交官のうち、何割がこの基準をクリアしているか? 実は、わずかに3割だそうだ。佐藤優が外務省に入った頃は、専門職を含め、TOEFL100は全員が持っていたのだが。
 ちなみに、昔の外務省の入省試験は、「和文外国語訳」と「外国語和訳」しかなかった。これは明治時代からずっと変わっていなくて、採点者さえしっかりしていれば、語学の能力が最もよく分かる方法だ。しかし、現在では、この試験は専門職にしか課されない。現代日本外交の停滞は、外務省職員の英語力低下とも関係している。


 *

Q:論理的に話す力は、どうすれば鍛えられますか?
A:文章を朗読するとよい。最近は朗読のための教材も出ているから、きちんと論理的に整合性がとれている文章を、気持を込めて朗読するのが効果的だ。超えに出して読んで見ると、文章の崩れもよく分かるから。
 朗読すると、ディベート力、議論の力もつく。短めの戯曲など、セリフのやり取りがある文章を、声に出して読んで見るのがよい。

 *

Q:「日本の組織では『独断専行』が評価される」という話が第4回であった。しかし、「独断専行」と「自分勝手」の違いが分かりません。
A:実は、両者に違いはない。ある人の勝手な行動が、組織に利益をもたらした場合は「臨機応変によくやった」と評価されるが、失敗したら「自分勝手だ」と非難される。それが日本の企業文化・組織文化だ。
 では、どうやって自らの行動の成否を確かめればいいのか。自分で「失敗したかもしれない」という認識があるなら、手の打ちようがある。しかし、問題は、本人が「うまくいっている」と思っていても、上司から見ると全然うまくいっていないケースがしばしばあることだ。
 だから、まずは自分がしていることにミスがないかどうか、点検する習慣をつける。もしミスが見つかったら、上司や同僚に責任をうまく分散するようにする。自分の力ではどうしようもない場合は、マイナスを最小限に抑えるために、なるべく早く上司に報告する。組織の中で生き残っている人は、大抵そういったスキルに長けているものだ。
 組織文化というものは、一朝一夕には変わらない。大事なのは、どんな「独断専行」が評価されるのか、逆にどんな「独断専行」がNGなのか、普段からよく観察しておくこと。また、「これはまずい」と思った場合は身を引き、「いける」と思ったら乗っかるといった「ズルさ」も時には必要だ。

□佐藤優「 ~社会人のための「役立つ教養講座」 第11回(最終回)~」(「週刊現代」2016年6月4日号)

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«サミットで国家神道の中心「伊勢神宮」訪問はなぜだ? 安倍首相が改憲と戦前回帰を目論みゴリ押し     2016年5月25日 23時0分 LITERA(リテラ)