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2016年5月26日 (木)

【佐藤優】Q&A(実践的な教養の身につけ方) ~役立つ教養⑪~    2016年05月25日 | ●佐藤優 

 第1回から第10回まで、ニュースの読み解きに始まり、宗教、論理力・数学力、哲学など、社会人が身につけるべきさまざまな教養について話した。最終回は、読者の質問に対する答えの形で、実践的な教養の身につけ方をおさらいする。

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Q:ニュースを読む・見るときのポイントは?
A:日本語の報道を読むだけでも大丈夫。英語のメディアは、無理をすることはない。英語が母語でない人が英文を読むのはものすごく疲れるからだ。最初の30分は大丈夫でも、そこからガクンと能率が落ちる。長続きしない。それに、日本語で情報収集・分析するだけでも、かなりのことが分かる。
 では、どの情報をチェックすればいいか。
 ①ウォール・ストリート・ジャーナル日本版。日本の新聞とはまったく違う記事が載っているし、CNNの最新記事も数時間で日本語に訳される。日頃からこれに目を通しておくと、国際ニュース、特に日本のマスコミの弱点である中東のニュースなどは、かなり早く手に入る。
 ②海外大手メディアにも報道されないような深い情報は、イラン国営放送「Pars Today」や、ロシア国営「スプトーニク」のウェブサイトをチェックするとよい。これらはいわゆる「国策女ディ」だから、編集方針が国家の利害を反映していて、とても興味深い。「ハメネイ最高指導者の言葉」とか「今日のコーラン」とかいったコーナーにまじって、重要なニュースが載っている。

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Q:数学がとても苦手なのだが、どうやって復習すればいいですか?
A:もし「あまりにも苦手で、数学検定を受けるのも怖い」という場合は、抵抗があるかもしれないが、公文式がおすすめだ。実は公文式では、大人向けの講座も充実している。どれだけ問題を解いても月謝は変わらない。何より公文式は、「ほめて伸ばす」というシステムをとっているので、無理なく続けられる。数学は積み重ねだ。理解の穴を見つけ出し、埋めるためにも、面倒がらずに基本からやり直すことが大切だ。
 教室に通える余裕のある人は、週2回を目安にすれば、半年もかからず中学の数学までは完璧にできる。その後は、高校1年生の過程が3ヵ月くらい、高校2年と3年が合わせて1年ぐらいだろう。とりあえず中学まで終わったところで数検3級を受けてみると、身についたかどうか分かる。全体で1年半くらいかければ、数学は怖くなくなるはずだ。

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Q:英語の場合は?
A:まずは、今の英語力を測るためにも、英検2級を受けてみる。これはだいたい高校2年生と同じくらいのレベルだ。歯が立たないようなら3級に戻るとよい。英検の関連教材はすごくよくできているから、それを使って勉強するのがおすすめだ。英検準1級に合格できれば、TOEFL換算でだいたいスコア100になる。これは外務省が入省時に「即戦力になる」と判断する基準と同じだ。
 現在の新人キャリア外交官のうち、何割がこの基準をクリアしているか? 実は、わずかに3割だそうだ。佐藤優が外務省に入った頃は、専門職を含め、TOEFL100は全員が持っていたのだが。
 ちなみに、昔の外務省の入省試験は、「和文外国語訳」と「外国語和訳」しかなかった。これは明治時代からずっと変わっていなくて、採点者さえしっかりしていれば、語学の能力が最もよく分かる方法だ。しかし、現在では、この試験は専門職にしか課されない。現代日本外交の停滞は、外務省職員の英語力低下とも関係している。


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Q:論理的に話す力は、どうすれば鍛えられますか?
A:文章を朗読するとよい。最近は朗読のための教材も出ているから、きちんと論理的に整合性がとれている文章を、気持を込めて朗読するのが効果的だ。超えに出して読んで見ると、文章の崩れもよく分かるから。
 朗読すると、ディベート力、議論の力もつく。短めの戯曲など、セリフのやり取りがある文章を、声に出して読んで見るのがよい。

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Q:「日本の組織では『独断専行』が評価される」という話が第4回であった。しかし、「独断専行」と「自分勝手」の違いが分かりません。
A:実は、両者に違いはない。ある人の勝手な行動が、組織に利益をもたらした場合は「臨機応変によくやった」と評価されるが、失敗したら「自分勝手だ」と非難される。それが日本の企業文化・組織文化だ。
 では、どうやって自らの行動の成否を確かめればいいのか。自分で「失敗したかもしれない」という認識があるなら、手の打ちようがある。しかし、問題は、本人が「うまくいっている」と思っていても、上司から見ると全然うまくいっていないケースがしばしばあることだ。
 だから、まずは自分がしていることにミスがないかどうか、点検する習慣をつける。もしミスが見つかったら、上司や同僚に責任をうまく分散するようにする。自分の力ではどうしようもない場合は、マイナスを最小限に抑えるために、なるべく早く上司に報告する。組織の中で生き残っている人は、大抵そういったスキルに長けているものだ。
 組織文化というものは、一朝一夕には変わらない。大事なのは、どんな「独断専行」が評価されるのか、逆にどんな「独断専行」がNGなのか、普段からよく観察しておくこと。また、「これはまずい」と思った場合は身を引き、「いける」と思ったら乗っかるといった「ズルさ」も時には必要だ。

□佐藤優「 ~社会人のための「役立つ教養講座」 第11回(最終回)~」(「週刊現代」2016年6月4日号)

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