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2016年5月27日 (金)

<社説>県議選あす告示 問われる米軍基地の存在(琉球新報)

 沖縄の将来を占う第12回県議会議員選挙が27日告示される。

 今回の県議選は、元米海兵隊員で米軍属の女性死体遺棄事件によって米軍の存在そのものが主要な争点に浮上した。米軍普天間飛行場の返還、名護市辺野古への新基地建設の是非、日米地位協定の改定など、施政権返還から44年たっても変わらない基地問題に対する姿勢が鋭く問われる。
 今回は、13選挙区(定数48)に70人が立候補を予定している。前回より7人多い。既に各選挙区で激しい前哨戦が展開されている。立候補予定者には、有権者が政策を十分理解し、投票できるよう、明確に主張してもらいたい。
 翁長雄志知事が就任してから1年半の県政運営が問われる選挙でもある。
 翁長知事は仲井真弘多前知事による辺野古埋め立て承認を検証した結果、2015年10月に承認を取り消した。それを受け国は代執行訴訟を起こし、3月に和解が成立した。政府にとって選挙結果は、県民意識を測る材料となる。県政与党が安定多数を維持するかどうか注目が集まる。
 前回12年の本紙県議選立候補予定者アンケートは、ほとんどが普天間飛行場の国外移設や県外移設、無条件撤去のいずれかを選択した。しかし、今回の立候補予定者アンケートは、70人のうち41人が普天間飛行場の国外県外移設、無条件撤去と答えた。一方、野党系は国外移設を前提とした暫定的な県内移設、辺野古移設などと回答し主張が分かれている。争点をぼかすことなく旗幟(きし)を鮮明にして選挙戦に臨んでほしい。
 翁長県政はアジア経済戦略構想を打ち出し、経済政策を進めている。好調な観光が県経済をけん引しているが、収入が低く不安定な非正規雇用率が44・5%と全国で最も高い。子どもの貧困率が高い背景に、低賃金で働く親の貧困がある。非正規労働者の正規化や最低賃金の引き上げ、保育士の処遇改善など雇用に関する政策は候補者選びのポイントになろう。
 子どもの貧困に対する政策も重要な判断材料だ。日本復帰後は公共工事に予算が重点配分されたため、教育・福祉に十分回せなかった。このつけが子どもの貧困という形で顕在化している。待機児童問題を含め、沖縄の未来を担う子どもたちの教育、福祉についての政策論争に期待する。

<金口木舌>「琉球」の解放

 突然、風が吹いた。木々は波打ち、線香の煙が立ち込めた。「喜んでいる、喜んでいる」。先祖の歓喜を感じた墓参者が思わず声にした

▼今月17日、沖縄からの墓参団29人が中国・北京の琉球人埋葬地を訪れ、鎮魂の祈りをささげた。そこには1879年の琉球併合前後に中国へ渡り、救国運動を展開して客死した琉球人が眠る
▼墓参団は「一緒に帰ろう」と声を掛け「平和な沖縄の実現」を誓った。亡命琉球人の指導者・幸地朝常の親族である渡久山朝一さん(67)は「救国運動は遠い時代の出来事ではなく身近に感じる」と語った
▼渡久山さんの祖父は最後の琉球国王・尚泰の付き人で、朝常のいとこに当たる。朝常が中国にたつ際、尚泰は祖父に港近くの丘に「旗を立てなさい」と指示したという。親族で今も語り継がれている
▼「恐るべからず屈すべからず」。朝常はこう言って、日本官吏に屈するなと琉球人を鼓舞した。大和に支配された琉球には帰りたくないとも話したという。渡久山さんは「亡命した仲間が次々に死ぬ中で、帰りたくても帰れなかったのだろう」と推し量る
▼さて今の「琉球」。米軍属女性死体遺棄事件が起きた。埋葬地に眠る琉球人たちは帰りたいだろうか。救国運動から約140年、植民地状況からの解放はまだ道半ばである。歴史をたどると、沖縄の苦悩はあまりにも深く、長過ぎる。

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